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常岡さん、人質になる。 [コメディ]


常岡さん、人質になる。

常岡さん、人質になる。

  • 作者: にしかわたく
  • 出版社/メーカー: エンターブレイン
  • 発売日: 2011/08/31
  • メディア: 単行本


日本人ジャーナリスト、アフガニスタンで誘拐される―!
2010年4月。フリージャーナリストの常岡浩介さんが現地の武装勢力に誘拐され、
5ヶ月間の人質生活を強いられるという事態に陥っていました。
今回ご紹介する本は、死をも覚悟したという当時の常岡さんの体験談を、
常岡さんとシェアハウスで同居するフリーライターの岡本まーこさんが聞き取り
漫画化したものとなります。岡本さんは常岡さんを取材した人であると同時に
シェアハウスの同居人として彼の生還を心から願った関係者の一人。
自分の知り合いが殺されるかもしれない状況に陥った驚きと戸惑いも
併せて描かれていて非常に面白い本でございました。

「誘拐って、こんなにマヌケなものだったっけ…?
なんとなく笑っちゃうけれどぜんぜん笑い事じゃない。
だけど、決して笑い事じゃないのに笑っちゃって、なんだかちょっと、親近感を感じるような…」
帯にも抜粋されているまーこさんのあとがきの一節がなんともインパクトを感じます。
もちろん笑い事じゃないんだけれど、犯人グループの対応が行き当たりばったりで、
常岡さんを監視している人々も妙にフレンドリー。
それは常岡さんがたまたまイスラム教徒であったことも大きく関係しているのだろうけれど、
監視役の男達と気安く会話をするようになったり、おニューの携帯電話の使い方を
常岡さんに聞いてきて、まんまとTwitterからネットにメッセージを送る機会を作ってしまったことに
気づかなかったりするというお間抜けさ。(;´▽`A``
けれど自分達の組織にスパイ行為を働き、偶然同室になった男が
2日後に殺されたらしいというエピソードもあったりして、やっぱり恐ろしさは拭えない。
常岡さんが感じていたのはやっぱり脅威だったんだろうけれど、彼から話を聞いたまーこさんも、
そしてまーこさんから伝え聞くかたちになっている私も、生まれたときから戦争に関わるのが
当たり前の光景で生まれ育って、あるときは命令一つで人を手早く殺せる冷酷な面を持ち、
あるときは新しい携帯を手に入れて常岡さんに見せびらかす私たちの知る人間らしい面を併せ持つ彼らに
「決して笑い事じゃないのに笑っちゃって…」
というフクザツな感情を抱かざるをえない。ああ、こういう感覚なんだなあというか…

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一方で常岡さんを案じつつも、これといってできることも浮かばず普段どおりの生活をおくる
「ギャルハウス」の面々の感情も複雑です。
半月前にちょいと近所のコンビニにいくような感じで旅立った知り合いが、
ある日TVのリポーターから「武装勢力に拉致された」と知らされ
自分がマイクを向けられる立場になった時の現実感の無さ。
家に居る時はむしろ邪魔にしていたくらいの彼に「最悪の事態が起きた場合」のことを話し合う
まーこさんたちの心の置き所が定まらない感じがなんともリアルなんですよ。
不謹慎ではあるけれど、常岡さんに「もしも」のことがあった場合は「ギャルハウス」の人たちに
どんな影響を与えただろうか…なんてね。

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「どこか遠い場所で起こっている恐ろしい出来事だと思っていた戦争は、
こんな風に私たちの生活とゆるやかに、だけど確かにつながっているのです。」
まーこさんのメッセージにああ、そうかもなあ と思いつつも
自分の身の周りの人がそうなるなんてことはどうしても想像がつかない。
それは仕方の無いことなのだろうけれど、ネットで当時の報道記事を検索したり、
常岡さんが出演している動画を眺めてみたり、
そこで常岡さんが溺愛する愛猫・かんだたみの萌え動画を
まーこさんが結構な数アップしていることを知ったりするアクションを起こさせる影響は
与えてくれる本だと思います。常岡さんのどこか飄々としたというか適応力の高い性格が、
お話を悲壮というよりもむしろ半ばコメディを観ているような感じにさせてくれて、
きちんと背景を説明しつつもとても読みやすい内容になっていますよ。


拉致から5ヶ月ぶりに解放! 常岡浩介氏が語るアフガニスタン“人質生活” 「6月14日、彼らの日本政府への最後通告から72時間が一番怖かった」-週プレNEWS
USTREAM 2011.2.10(木)ゲスト:常岡浩介(戦場ジャーナリスト) × 下関マグロ

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