So-net無料ブログ作成

鉄道少女漫画 [ハートフル]


鉄道少女漫画

鉄道少女漫画

  • 作者: 中村 明日美子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2011/01/31
  • メディア: コミック


全部大事に持っててくれてたの…

「呼出し一」の単行本発売後、自身の体調不良を理由に活動を停止されている
中村明日美子さんの単行本が発売されました。
タイトルどおりの駅と電車(主に小田急線)を舞台にした連作短編集で、
初出は2008年~2010年6月までのものになります。
復調されてからの作品というわけではないようなのがちょっと残念ですが、
とまれ描き下ろしも入ったちょっと面白い短編集なのでご紹介したいと思います。

白泉社の漫画誌「メロディ」と「楽園」にて連載。
タイトルから受けた最初の印象としては、最近流行の
鉄道オタクの女の子・通称「鉄子(or娘)」が出てくる漫画かなあ?
と思い、電車の形式やダイヤに興味のない私は微妙な気持ちになったのですが、
いつものようにTwitterで呟いていた方が面白いと言っていたので
それを信じて購入してみました。

内容としては駅や電車内を舞台に、そこで起こる出会いや別れを描いたような作品で
一括りに言うとそんなカンジのもやっとした共通点しかないので、例によって一話ずつ
簡単にあらすじを添えます。

「浪漫避行にのっとって」
「のっとって」という崩し方が絶妙な、ぐだぐだな痴話喧嘩の話。
ロマンスを運ぶラブラブ特急のはずのロマンスカー内で、
痴話喧嘩に巻き込まれた女の子が、ダメな夫を叱咤する姿が面白いコメディです。
めでたしめでたしなんですが、ラストにもう一回意外なめでたしが加わって
にんまりしてしまいます。

「彼の住むイリューダ」
外国…? その駅名を聞いたとき、私も脳内で変換できませんでした。
主人公は紙バッグを提げ、駅で人待ち顔の女の子。
電車が駅に停まるたび、その女の子を追ってきたらしい彼女の友人が一人ずつ現れて、
徐々に女の子の目的が見えてくる、この展開が面白い作品です。
来た時と逆の順に、友人たちが一人、また一人と去っていく時、
女の子に残していく言葉が切なくていいんです。

「立体交差の駅」
大きなバッグを片手に、怒りもあらわにステディな関係を思わせる誰かと
携帯電話で会話している女性。
彼女がうっかり放り投げてしまったバッグと携帯を女子高生のヒロインが拾ったことで、
彼女の事情に関わることに。
互いに共通点のある二組の失恋と、その後の二人の展開がタイトルの意味を表しています。
続く物語「青と白のリーム」はこの話の後日譚になります。

「木曜日のサバラン」
妻に「食べたくなった」と言われて会社帰りに立ち寄ったケーキ屋さん。
しかしそのケーキ屋には、とある秘密の部屋があって…
夫は毎週木曜日にそのケーキ屋に通うように。
木曜日には決まって夜遅くに帰宅し、頼みもしないのに毎週ケーキを買ってくる夫を訝しんだ妻は…
結婚7年目、仕事は順調、家庭は円満。…なのに少し最近ワクワクすることがない、という物語。
ラストの妻の神々しさは男にとって都合が良いような気がしますが、著者が女性だから
こういうのを認めてくれる場合もあるのだなと。

「夜を重ねる」
終電が終わった駅で、ゴミ箱に棄てた、とある男との思い出の品が入ったバッグを探しに来た女性と、
彼氏の部屋に別の女の影が見え、怒りに任せて駅に来たものの終電を逃してしまった女性。
偶然出会った二人の女性が、人気の無い二人だけの駅で身の上話をするお話。
男のひどい態度に初対面なのに二人で盛り上がっちゃうシーンがコミカルで、
そしてラスト付近で明かされる、どんでん返しに見事にしてやられました。
一気に切ない後味を残すラストに収束する展開は、個人的に一番印象に残りました。

img775.jpg

「ある休日」
描き下ろし。
街を横切り、電車を乗り継ぎ、どこかへ向う男性。
途中でそれまで出てきたヒロイン達が登場し、ラストにこの男性の正体が明かされる。
中村明日美子さんらしいミステリアスな演出が見事な10ページのショートショートです。

「ある休日」に限らず、いくつかの作品ではオープニングにいきなり謎の伏線を張り、
ラストにそれの種明かしをするという仕掛けがあり、見事にひっかけられて
それで気持ちよい感じで終われます。
よくもまあ鉄道うんちくを抜きにして、駅と電車でこれだけ物語がでてくるなあ(;´▽`A``

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:コミック

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

ブログパーツ