So-net無料ブログ作成
検索選択

鉄風 [燃え]


鉄風 1 (アフタヌーンKC)

鉄風 1 (アフタヌーンKC)

  • 作者: 太田 モアレ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/03/05
  • メディア: コミック


努力がしたいの

才能―
それは、誰もが渇望する力。
他人が血ヘドを吐きながら、何かを犠牲にしながら努力して努力して…
そうして手に入れたものを易々と凌駕する力。

ここに1人の少女がいた。
彼女は物心ついた時から何でも出来、すぐにコツを掴んで己がものとする力を持っていた。
しかし当たり前と思っていたそれが、誰もが羨む「才能」であると自覚した時、
彼女は同時に「退屈」を持て余すようになっていた。
血ヘドを吐くでもなく、何かを犠牲にするまでもなく、
そびえたつ壁を易々と乗り越えられてしまう「才能」…
そして彼女はいつしか
気の遠くなるような確固たる努力に裏打ちされ、自信に溢れた者を
あっさりと捻り潰すことに歪んだ快感を得るようになっていた―

good!アフタヌーンで連載。
Twitterで話題にされている方がいらしたので購入してみました。
周囲の人間を圧倒する、溢れる才能を持つ者、という
大抵はライバルか敵で出てくるような女子高生が主人公の格闘マンガです。

その気になれば何でも人より遥かに早く上達することのできる石堂夏央。
才あるが故に周囲を圧倒してしまい、すぐに一番になれてしまうが故に
逆に「努力」し、「充実」した者に強烈なコンプレックスを抱くというこの設定が面白い。
敵とかで出てくる天才キャラは、大抵自らの才能を大いにひけらかし、
唯我独尊でとっても充実しているように見えるのですが、そんな時代はとうに過ぎたのか、
ただ虚しさを抱えて日々を過ごしている― この心情は「なるほど!」と思わせられます。
夏央が「努力がしたい」といった言葉は、いかにも窮屈な檻に入れられた獣のようで、
このままならない感じが、鼻持ちならない俺強ぇキャラだったらどうしようと思っていた
私の心配を氷解させるばかりかぐぐっと惹きつける魅力になりました。

夏央はある日、眉毛の太い女でブラジルからの帰国子女・馬渡ゆず子に出会います。
彼女が校門前で部員を募集していた姿があまりに清清しかったから…
夏央はゆず子が募集していた「総合格闘技」で彼女を叩きのめすために手合わせをし、
今の自分では歯が立たないことを悟ることになるのです。
それから夏央は凹むどころかむしろ「叩き潰しがいがある」とばかりに
総合格闘技の世界に飛び込んでいきます。

img726.jpgimg727.jpg

自分の才を頼みにして負けてしまう、というのはいかにもよくあるシチュエーションです。
しかし、彼女の「才能」は最初から何でも出来ることではなく、その成長の驚異的な早さ。
そしてそれは彼我の実力差を分析し、自分が受ける相手の一挙手一投足を
冷静に身体に刻み込む作業をやってのける。
この描写が「才能」という捕らえどころの無いもやもやっとした力の説明として
実に理解しやすいんですよね。
大人しく受身にまわっている間に、彼女はみるみる成長しているという不気味さ。
まさに「聖闘士に一度見た技は二度と通用しない!!」という勢い。

彼女の格好の「目標」になった馬渡ゆず子や、その親友で同じくらいの実力を持つとされる
リンジィ・コルディロなど、総合格闘技の世界では例によって次々と「才能」を持つうえに
「努力」までしちゃってそうな猛者達が続々と出てきます。
その中で「はじめの一歩」の板垣君のように、他の才能に埋もれることなく、
いかに夏央の才能の非凡さを出していくか、そこがこのマンガの楽しみなところですね~
それからところどころで出てくる、彼女が虚しさを覚える要因になっていそうな
幼馴染や兄との過去の因縁なども垣間見え、ドラマとして面白そう。

あんまり猛烈な努力はしないでほしいなあ、というのと、
「才能だから」で済まさせられる安易な勝利にはならないでほしいなあ、という
相反する期待をもってこのマンガを見守っていきたいと思います。



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:コミック

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

ブログパーツ