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スイートプールサイド [青春/自分探し]


スイートプールサイド (少年マガジンコミックス)

スイートプールサイド (少年マガジンコミックス)

  • 作者: 押見 修造
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/08/09
  • メディア: コミック


…なら… …太田くん…剃ってくれない…?

“毛”
今回は毛の話です。
そしてこれに「思春期の」というキーワードを加えることで、
なんともモゾモゾするような気恥ずかしさが湧きあがる、これはそんな作品です。
自分の身体が急速に変化をしていく小学生高学年~中学生のこの時期は、
何となく周囲と比べて自分への変化が早すぎても遅すぎても凹む、
ナーバスな気持ちになりやすい時期。
下の毛が今だ生えないことにコンプレックスを持つ男の子が、
毛深いことに悩む女子に乞われて彼女の毛を剃るという
身体を張って教えるのが信条のルナ先生でもまずやらないであろう
とんでもないシチュエーションのファンタジー。
思春期のリビドーとインモラルを全開にした怪作「惡の華」の前身の作品として非常に意義深く、
そして気恥ずかしさとドキドキがない交ぜになった、間違いなくひとつの青い春を描いた作品でした…

ヤングマガジンにて2004年に連載、その後別冊マガジンにて2011年に再掲載。全1巻。
「漂流ネットカフェ」や「このマンガがすごい!2011年オトコ版」で10位に選ばれた
「惡の華」を描く押見さんの作品です。
マンガでは顕著にあらわれますが、頭以外に生える“毛”、
特にスネ毛や陰毛といった毛は、たとえ高校生以上のキャラクターでも
少年・少女誌、青年誌でも大抵の場合、あまり描かれることはありません。
描かれるとすれば、それは意図されて描きこんだものであり、
「男らしさ」の象徴として捉えられるものだと思います。
そしてこれを思春期の女子に付加するとどうなるか…
もうそれだけでウブな中坊へのインパクトは絶大、マンガ表現的にも通常ありえない
“毛”を女子に描きいれるというこの画は、昔叔父さんの仕事の車に置いてあった
劇画調のエロ雑誌の記憶を思い起こさせ、大いにエロティシズムを感じさせるのです。

img366.jpg

お話は周りの男子に続々と毛が生えていく中で、一人女子も羨むツルッツルの
卵肌なのが悩みの太田君が、偶然部活終わりの水泳部の部室で一人、
自分のあそこの毛を剃ろうとして四苦八苦している女子の後藤さんの姿を見かけるところが
一つ目の山場となります。
見てはいけないものを見てしまったという後ろめたさからその場からこっそり立ち去ろうとするのですが、
まあ早い話が後藤さんにバレてしまい、それがきっかけで後日後藤さんから自分が毛深いことが
悩みである事を打ち明けられ、不器用で剃毛に失敗しまくっていた後藤さんの代わりに
太田君が彼女の毛を剃ってあげる流れになっていくのです。

「気持ち悪い」脱毛クリームを使うよりも、それまで話したことも無い男子に剃毛を依頼する
このシチュエーション自体がファンタジーですが、太田君が密かに気にしている
卵肌を羨ましいと言い、女の子なのに毛深いというコンプレックスを吐露する後藤さんのセリフは
深い悩みを感じさせるような迫力に満ちていて実に巧い。
自分に毛が生えたことが無いことも手伝って、うっかり「毛を剃るなんて簡単だよ」と言ってしまい、
後藤さんをバクハツさせて面食らう太田君の表情とか、自分の身体にコンプレックスをもつ者同士
でありながら、対照的な二人のこのシーンが秀逸なんです。

img367.jpg

手に石鹸を塗って、後藤さんの腕毛に塗りたくり、傷つけないように
おっかなびっくり剃刀を滑らせるシーンはなんともエロティック。
腕に集中しようとするのだけど、先日のシーンが甦って思わず
彼女の股間の方に目がいってしまったりとか、女の子の腕の感触や
自身も初めての体験となる毛をジョリジョリと剃りあげていくときの感触。
あまりに異常なシチュエーションに現実感の無さを感じる太田君。
そしてこんなことまず他人には絶対にお願いすることが無いであろう、
後藤さんの秘密を知った太田君が、彼女を強烈に意識するようになるのは当然の流れでありまして…
この二人の行き着く先がどうなるのか… 是非ご覧になってみてください。

それから同時に収録されている、押見さんの2003年に描かれた
読みきり短編「超常眼球沢田」は、エロコメとかでは古典と言ってもいい
「ひょんなことから服を透視できるようになった主人公が、女の子の裸を視まくる」
シチュエーションを、清清しいくらいにバカっぽく一捻り加えた「スイートプールサイド」とは
対照的なカラっとした笑えるお話で、これが少なくとも私は今まで見たこと無いオチを迎えます。
お薦めですよ~


「なんじゃこの変態マンガ?」と思った編集者さんのblog
 → 『別マガ』班長は今日も困っている。2009年9月5日

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