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四季賞2011夏 ~月刊アフタヌーン付録 [青春/自分探し]


月刊 アフタヌーン 2011年 10月号 [雑誌]

月刊 アフタヌーン 2011年 10月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/08/25
  • メディア: 雑誌


今回は3ヶ月に1度やってくる、恒例の月刊アフタヌーン「四季賞」のご紹介をします。
いやあ1/4年は早いですね。次は11月…もう年末間近ですか~
早速受賞作のご紹介をして参りましょう!
今回は大作が受賞しておりますよ

四季大賞 ZNTV東京支局 井上文月

西暦2037年東京。
そこは18年前落下した隕石の爆発で壊滅し、打ち棄てられ荒廃した死の都。
再建を諦めた人々は高い壁を築き、その悪夢の記憶ごとかつての首都を忘れ去ることを選択。
厚いゲートを越えた先にある現在の東京は、住み慣れた東京を離れ難いと残った人々と、
娑婆で生きられなくなった食い詰め者たち、そして法の力の及ばぬこの地で
非合法な取引を行うためにやってきたそのスジの人々が寄り集まっていた…
―辞令が降りたのは一週間前だった。
酒の席でうっかり支局長にケリを入れて左遷されたZNTVの記者・芹沢蒼は
曰くつきの社員たちが流れ着く「東京支局」に異動になった。
ケータイは通じずテレビの電波も届かず、身を守るため銃器の携行すら許された
都市で彼女が見たものは、「外」の世界では全く報道されない
強い者が弱い者を平気で虐げる世界だった…

総ページ数179ページ。
四季大賞を受賞したのは、元報道のお仕事をされていたという井上文月さんの「ZNTV東京支局」です。
作品の良し悪しは一概にページ数で決まるものではありませんが、いやあ…これは圧巻の一言でした。
着任早々ヒロインの芹沢はとある孤児の少女の強姦致死事件の取材に関わることになるのですが、
その事件を通して社会的弱者である人々の声を届ける“報道の意義”というべきものが
アツく語られるのです。
突然一方的に犯され、命を奪われた少女。
彼女の仲間だった同じ孤児の少年達は憤慨し、事態は段々とエスカレートしていきます。
国から見放された東京で生活する社会的弱者の彼らの怒りの矛先はまずは犯人へ、
そしてそんな彼らを見て見ぬフリをする全ての大人たちへ…
彼らの眩暈のするような深い怒りに打ちのめされながらも、彼らに寄り添い続ける芹沢の姿。
そして彼女をバックアップしつつも、自分達なりの想いを乗せて少年達を追うZNTVの面々。
さすが報道のお仕事をされていた方の描いたものだけあって次々と指示や情報が飛び交う
局内の様子や、人々に避けられ、無いものとされた大切なことにそれでもスポットをあて、
報道しようと様々に手を尽くすTV局の報道マンとしての矜持が、いちいち胸を打ちます。
現実にはありえない理想像、と感じるかもしれません。
でもこの物語で「忘れないで」と言った少年の言葉には迫力とリアリティを感じずにいられません。

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四季賞 「アーチャーズ・カルテット」 白川蟻ん(しらかわぎん)
幼馴染の綾にいいところを見せたくて、弓道を習い始めた千夏。
しかし高校に入ると同時に習い始めていた綾に水をあけられ、いいところを見せるどころか
綾にアドバイスをされた千夏は、生来のプライドの高さと意地っ張りで思わず彼女を遠ざけ、
一人山奥の廃れた弓道場に特訓にやってきた。そこで彼が出会ったのは…

一転して四季賞はいわゆる青春ラブコメものです。
山奥の弓道場でうっかり封印を解いてしまって以来、願い事をかなえるまで二人(?)の
謎の物の怪に憑かれることになってしまった千夏。願い事を叶える代わりに代償を要求するという
彼らを遠ざけようとするものの、願いを叶えさせないと綾の魂を頂くと脅された千夏は彼らを相手に
一世一代の賭けに出る。
この主人公の千夏の性格が物語全体を非常に面白くしていて、
いわゆるスラップスティックコメディではオヤクソクな性格なんだけど、それをきっちり踏襲しつつ
自分の心と深く深く対峙する「弓道」という題材が、一転して彼自身の困った性格に向き合う
印象的なシーンとして描かれます。
取り憑いた二人との会話も軽快でところどころギャグを混ぜつつ繰り返しこの物語のカギになる
千夏の性格を引き立たせるようなやり取りになっていて、うまーくつくられているなあという印象でした。
完全にお姫様状態の綾ちゃんがもう一押し千夏に強く言えたらなと思うところもありますが、
お話としてはオチまでつけた文句なしの面白さでございます。

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谷口ジロー特別賞 「FOUR SEASONS」 友沢マサオ
5編のショートショートで構成された作品。
中には青春ものあり、ギャグあり、家族的な絆の物語あり。
著者の方は漫画家アシスタントを経験されている、いわゆるプロの卵な方だそうで
画力・表現力ともに普通にプロ並のクォリティがあります。
特に童貞にしか投げられないという伝説の魔球・セックスを会得した非モテ男子と、
バッテリーを組む少年の二人のやたら暑苦しいやり取りが最高の甲子園ものギャグ「魔球セックス」。
そして高校デビューに足踏みしている内向的な少年と、自分の人生は自分で決めるといった風情で
中学時代彼とは真反対の立ち位置に居た少女が再会する青春物語「spray」が好きだなあ。

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以上です。
いやあ 他2作も決して悪くは無いんですが、今回はZNTV東京支局が個人的に良すぎました。
欲を言えば総評にも書かれていますが、あとは絵が綺麗になれば…
でも読みきり一作を足して単行本として出して欲しいくらいにここだけで消費するには
惜しい作品でした。よろしければ是非ご覧になってみてくださいね。


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