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青春少年マガジン1978~1983 [青春/自分探し]


青春少年マガジン1978~1983 (KCデラックス)

青春少年マガジン1978~1983 (KCデラックス)

  • 作者: 小林 まこと
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/12/17
  • メディア: コミック


「漫画家になってよかったことは?」と聞かれると
オレはいつも「仲間ができたこと」と答えている


1978年5月―
横浜は鶴見の 家賃8千5百円の四畳半に、
新潟から漫画家を夢みてやってきた小林まことという19歳の若者がいた。
案に相違して原稿を持って巡った出版社ではことごとくボツをくらい、
あげく2日前に腐ったえびチャーハンを食べて、現在進行形で食中毒で死にかけている彼の
長い長い漫画家人生は、一本の電話から始まった。
『おめでとう!!入選だよ 賞金100万円!!』
「ええ~~~っ!!」
それは半ば やぶれかぶれで持ち込んだ少年マガジン編集部で、
小林の漫画を初めて評価してくれた編集者・工富氏からの吉報だった。
サラリーマンになった同級生の月給が6万円台だった時代である。
その100万は、今の100万とは比較にならない価値があり、
だからこの瞬間、上と下から出すものを出し尽くし、40度の高熱に朦朧としていた
小林の体調不良がいっぺんに全快したとしても無理からぬことであった。
時は漫画界激動を迎えようとしているこの時代。
20歳目前の小林青年は、この新人賞の入選をきっかけに、
これから始まる漫画漬けの日々と、そして、生涯の友を得る事になるのだった―

週刊少年マガジンにて連載。全1巻。
2008年に創刊50周年を迎えた、週刊少年マガジンの記念企画として
全13話の短期集中連載をした作品だそうです。
出世作となった週刊少年マガジン掲載の「1・2の三四郎」の連載期間である
1978年から1983年までの当時の小林さんや、この時代以降爆発的に増えていく
他の若手漫画家たちの様子を描いた自伝的物語になっています。

あちこちの編集部に持ち込んだもののなかなか上手くいかない小林青年。
ダメモトで持ち込んだ少年マガジン編集部で、後に少年マガジンの編集長にもなる男・
工富氏に見出された小林さんは、新人賞で入選を果たし、その授賞式の席で
自分と最後までどちらを入選にするかで編集部内で決選投票となった同じ新人の「小野新二」と、
後日「1・2の三四郎」連載とほぼ同時期にひっそりとスタートしていた「タフネス大地」の作者
「大和田夏希」に出会うことになります。
小林・小野・大和田
ほどなくして編集者に「新人3バカトリオ」と呼ばれるほどに互いに切磋琢磨し、
互いの家にいきなりおしかけあえる仲間として同時期にデビューした3人の蜜月の日々と、
命を削って漫画を描き続け、売れっ子になった彼らが、やがてその仕事量の増大と
比例するように追い詰められていく様子を、それまでのノリの良い
景気の良いテンポとはうって変わった、情感あふれる筆致でもって描いていきます。
個人的には深夜、度々泥酔して小林さんに電話をかけてくる大和田さんのシーンがキましたね。
小林さんの描くキャラの口って何でこんなに情感豊かなんでしょうねえ(;´▽`A``

img737.jpg

この時代の漫画業界を描いた作品と言えば、先日島本和彦さんの自伝的作品である
「アオイホノオ」をご紹介しましたが、マガジンとサンデーで舞台となる雑誌は異なるものの、
この時代の新しい感性を持った新人大物作家達が雨後の竹の子のように
次々と輩出されていく時代のパワーを、庵野秀明という後の巨匠となった
大監督を象徴として描いたアオイホノオとは異なるアプローチ
―すなわち、次々と現れる新人漫画家達との交流で小林さんの交友関係が
爆発的に拡がっていく、という形で著されていくのです。
だからでしょうか。
この作品は一昨年の「この漫画がすごい!2010」のオトコ編3位に選ばれてもいるのですが、
その理由の一端として、この漫画に描かれていた当事者の方々が、
この作品を採りあげてアツく語りたくなっちゃう雰囲気が、この漫画にはあるような気がするのです。



以下 この作品で描かれる方々の青春少年マガジンへのエントリー
もろが卓(当時)さんの記事 → ガスコン研究所
すがやみつるさんの記事 → すがやみつるblog
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KAI

帯にあった小林さんのコメントではありませんが、私はボロボロ泣きながらこの本を読みました。
特に作品の空気がガラリと変わる第10話以降は、本当に辛い描写が続きましたね。
マンガ界にパワーとか熱が溢れていた時代でしたが、その影の部分も同時に見た思いです。

by KAI (2011-01-14 10:27) 

meriesan

確かに。10話以降は一見いつもの3人のようでいて、追い詰められて変調をきたしていく様子が淡々と描かれていくのに却って凄みを感じますよね。
by meriesan (2011-01-15 02:43) 

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