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ルサンチマン [恋愛]


ルサンチマン 1 (ビッグコミックス)

ルサンチマン 1 (ビッグコミックス)

  • 作者: 花沢 健吾
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2004/05/28
  • メディア: コミック


オメデトウ 生まれてきて ありがとう…

2015年東京―
世界はそれほど進歩していなかった ある分野を除いては…

印刷会社に勤務する坂本拓郎は 間もなく30を迎え悶々とした日々を過ごしていた
背は低く 髪は後退し もさもさ眉毛 明らかな中年太り 月に一度のソープ通いが楽しみという
見るからにブ男の彼
当然人生において彼女が出来たこともなく コンプレックスの塊だった

「本日をもって(現実の)女をあきらめましたっ!!!」
ある日拓郎はそう宣言すると 自身の少ない貯蓄をはたいて
先日友人・越後によって体験した仮想美少女ゲームの道具一式を購入する
それはバイザーを着け グローブをはめてまるで本物のようにリアルな
自分だけの彼女を持つことができる一大仮想空間
期待に胸膨らませて拓郎が偶然選んだ美少女「月子」には
しかし重大な秘密が隠されていた―!

週刊ビッグコミックスピリッツにて連載 全4巻
現在「アイアムアヒーロー」で連載中の花沢健吾さんの初単行本作品となります
今回はサワダシンヤさんのPodcast「狭くて浅いやつら」で言及されていたので興味を持ちました

辛い現実から逃げ出して 二次元に行きた~い
そんな願望が満たせる夢のツールが開発された世界で
月子という美少女に惚れ込んだ男が 仮想と現実を行ったり来たりして
本当の自分の居場所を見つけていく物語…という感じでしょうか

今でもモニターの向こうのネットゲーム中毒になっている人や
「○○はオレの嫁!」に代表される 美少女ゲームの女の子に惚れ込んで
自分だけの女の子をバーチャルな世界に求めてしまう人が採り上げられたりしますが
正に拓郎はそんな感じの人間
現実には全く女っ気なし 30を直前にして実家住まい
親に甘えまくりで行動は自立できない子供そのもの
そんな彼がモテない現実から決別してヴァーチャルな世界に救いを求めます

何といっても印象に残るのが
拓郎達が自身の実像とは似ても似つかない優男に変身し 女の子達とイチャイチャしている仮想空間と
それをバイザーとグローブを着けて汚い自分の部屋で奇声をあげ
どたばたと歩き回りながらプレイしている現実の彼らの姿が交互に描かれているところ
可愛らしい仮想の女の子達がカッコイイ自分の気分を存分に盛り上げてくれるところへ
見事に冷や水をぶっかけてくれるシュールな図式になっています
仮想世界ではこんなにカッコ良く活躍したあいつが 現実の姿は醜悪極まる容姿と
醜く歪んだルサンチマンの塊だった なんてネット世界の光と闇の部分を見事に抉り出すのです

img319.jpg
それと謎めいた女の子「月子」の存在
彼女は無垢で純粋な女の子そのもので 童貞の拓郎君は一撃で月子に惚れ込んでしまいます
しかし彼女は普通のプログラムでは絶対にありえない行動をとることがあり
それが実はこの一大仮想世界の重要な鍵を握る女の子だった―! というような役どころ
まるで「天空の城ラピュタ」のシータを助け出すパズーのような展開を見せるのですが
でもその「シータ」は仮想世界の女の子だよね? というジレンマ!
ラストは拓郎と月子の決着もそうですが そこまで大活躍していたキャラ達の
あれやこれやの伏線があちこちで消化されて一気に謎が晴れる終わり方をします
これは凄いですよ~

先日ゲームの大規模なお披露目イベントである「E3」で遂にコントローラー要らずで
自身の動きを感知してゲームをすることが出来るシステムも紹介されたそうですが
若干ファンタジー的な展開もあながち ありえなくもなくなってきたんじゃないかと
妙なリアルさを感じる作品でした
今 読むべき作品だと思います


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コメント 4

KAI

連載当時、本作の第1話を読んで、主人公・拓郎が自分と重なってしまって泣いた記憶があります。

早々に打ち切りが決まってしまった本作ですが、文中で仰っているように、バーチャル技術の描写とリアルさは先見の明があるように感じますね。
今、読むべき傑作だと思います。

by KAI (2010-07-12 10:57) 

meriesan

おお 打ち切りになった作品なんですか~
全然違和感なく読めちゃいました f^_^;)
仮想と現実のシーンを交互に見せる描き方は一見コメディのようでいてヒヤリとなりますよね。
by meriesan (2010-07-12 11:31) 

なまぐさぼーず

おおおお!!!ちょっと世に出るのが早すぎた作品でしたねぇ
3Dなど色んな技術がでてきた今だからこそ読む作品かと思います。
またリメイクなんてしないかなぁー。
by なまぐさぼーず (2010-07-12 19:19) 

meriesan

そうですね。この先開発が進んでいくと共にこういった作品は増えていきそう。だからこそこれほどにリアルに描いた作品は広めて欲しいですよね。打ち切りにならなかったとしたら花沢さんはどんな話を入れたかったんでしょう?リメイク、して欲しいですね~!
by meriesan (2010-07-12 20:49) 

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