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谷川史子純愛読みきり集 H [恋愛]


谷川史子純愛読みきり集 H (谷川史子純愛読みきり集 S) (集英社文庫 た 68-8)

谷川史子純愛読みきり集 H (谷川史子純愛読みきり集 S) (集英社文庫 た 68-8)

  • 作者: 谷川 史子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2011/04/15
  • メディア: 文庫


ずっと いつも ありがとう

「H」は Happy ENDING の「H」
というわけで、昨日に引き続いて谷川史子さんの純愛読みきり集Hをご紹介します。
収録作は 「花と惑星」 「春の蕾」 「スパイラル ホリディ」 「風の道」 「星の隠れ家」
そしてあとがきマンガとなる 「文庫版・告白物語」
今回収録された作品の中で異色なのがなんと言っても 「スパイラル ホリディ」
そして展望台のある街を舞台にした100ページのオムニバス「花と惑星」など
そのお話だけではなく、構成自体にも特徴的な作品が集まっています。

今回も2004年から2006年あたりの谷川さんの膨大な作品の中から、
テーマに合った作品を収録した体裁となっています。
昨日の「~S」の方でお伝え漏れましたけれど、
今回の文庫化にあたって、谷川さんによる作品の裏話的1/4スペースの
描き下ろしエッセイが入っています。これが実に効果的で、シーンに込めた
谷川さんの意図を読みながら本編を読むと、お話の面白さが膨れ上がるんですよね。
1/4スペースといえば、少女マンガで本編の端・1/4程度のスペースに掲載され、
主に本編とは関係のない作者の近況などを書いている場合が多く、
文庫版になると話題が古くなっているためか大抵そのスペースはカットされるのですが、
この書き下ろしエッセイは本編の味わいが増す隠し味として確かな存在感を放っています。
私が仮に今回の収録作のどれかでも既に読んでいる谷川さんのファンだったとしても
このために買ってもいいと思ったかなと。
1/4という形ではなくとも、他の文庫でも「文庫版あとがき」という形で
改めて著者のメッセージや、近しい方による解説が巻末についたりするものですが、
こういう細やかなサービス精神は大好きですね。
映画で言うならこの1/4は「完全版」とか「コレクターズエディション」みたいなものかなと。

さて、ここからはまだ作品をご覧になっていない方へのご紹介となります。
まず最初は同じ街を舞台に花の名前が付いた3人のヒロインたちが
それぞれの恋や友情を見つける100ページものオムニバス作品「花と惑星」です。

Part1は毎朝ジョギングですれ違う高校生の憧れの高杉先輩に夢中な中学生のなずな。
高杉先輩と先輩後輩の仲である、運動神経は良いがちょっとおバカなクラスメート
三国君をダシに、なずなはクリスマスのプレゼントを渡そうとするが…
という非常にオーソドックスな少女マンガです。
自分が傷ついた時、迷い無く助けに入ってくれる男の子はかっこいいなあという物語。
相手の意図を図りかねて首をひねるなずな、というところで終わってるのも初々しくてステキ。

Part2はSの方で「ココアブレイク」でも出てきたシチュエーションですが、
近すぎて恋人同士になれなかったことに後悔し続けている少女・蓮子の物語。
一度は告白してもらったこともあるものの、気恥ずかしさが先にたって誤魔化してしまい、
本当の自分の気持ちに気付いた時には引っ越してしまった彼。
大学で再開した時には彼には既に遠恋している恋人ができていて…
以前のような幼馴染ならではのじゃれあいに見せかけて
自分にまた振り向いて欲しいという思いを抱える蓮子。
切ないラストを迎え、それを引きずったまま20歳になった続編の「春の蕾」とセットで
ずっと後悔を抱え続け、迷い惑い続ける蓮子にそっと寄り添ってくれる男性と出会う物語は、
今回の読みきり集の代表としてふさわしい存在感を放っています。

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Part3は女らしくない自分の見た目や性格に密かにコンプレックスを持つ百合と、
百合とは腐れ縁で、対照的に会うたびいつも隣にいる男性が変わっている
女の子らしい女の子・芍花(きょうか)の物語。
男と別れて住むところに困ると、毎度自分に甘えてくる天性の甘え体質の芍花に
一層コンプレックスを感じている百合。そんなある日、コンビニのイケメン店長に
クリスマス・イヴの夜に誘われ、「遂に自分にも出会いが!」と盛り上がるのだが…

自分とは対照的にずっと好き勝手にやってきた芍花が、
あることがきっかけで誰よりも百合の幸せを願ってくれている親友だと気付く
二人のちょっと奇妙だけれど、深い絆を感じるストーリーが実に爽やか。

そしてもうひとつご紹介したいのは、とある結婚式当日の朝から始まる、
それぞれの事情を抱えた関係者のてんやわんやの物語「スパイラルホリディ」。
デッドラインギリギリの落ちるか落ちないかという瀬戸際で、センセイの原稿を
ハラハラしながら待ち続ける新郎。結婚式の幹事を嫌々引き受け、
案の定色々なトラブルが持ち込まれてうんざりする新婦の親友の女性。
式でその天才的な料理の腕をふるう夫のために、身重の体で夫が家に忘れた包丁を
届けようと奮闘する若奥様と、包丁をぶら下げて結婚式場を指定する彼女に
ただならぬ誤解をしてあれやこれやと思いとどまらせようとする、
初孫の誕生を心待ちにしているタクシー運転手のおじいちゃん。
そしてあちらこちらで大騒ぎを横に、一方その頃新婦は…
というような、複数のキャラクターが時間軸に沿って同時平行でトラブルに巻き込まれ、
式は無事に始まるのか…!?というハラハラ感が楽しいスラップスティックコメディ。
私は三谷幸喜さんの「THE 有頂天ホテル」を思い出してしまいました。
これが良くできてるんですよ、面白いですよ~。

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