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ききみみ図鑑 [ファンタジー]


ききみみ図鑑 (ビームコミックス)

ききみみ図鑑 (ビームコミックス)

  • 作者: 宮田 紘次
  • 出版社/メーカー: エンターブレイン
  • 発売日: 2010/11/15
  • メディア: コミック


音―
びぃん と震える弦の響き
ぱしゃり とはじく水たまりの音色
どきり とさせる電話ごしの女性の声
トクン と躍動する人の温もり…
世界には音が溢れている
pictrial book of sound
音を視よ!
それは舞うようであり 悲しむようであり しどけないようであり 跳ねるようである
これは目で聴く8編の物語―

コミックビームで連載。全1巻
マンガで「音」を表現する。
それを主題に置いた面白いテーマのマンガが発売されました。
マンガで音を表現する手法としては、音を文字に置き換えた「オノマトペ」や、
擬音を更に特徴的な形にデザインした「フォント」、
そしてΣ(゚д゚lll) の「Σ」みたいな表現から
果てはコマの中の空間の取り方、それを聴いた人の表情などで音を想像させる
というのもよく使われます。
今回ご紹介するマンガは、実にコミックビーム…いやむしろFellows!らしい
マンガでの音の絵的表現を様々な形式で物語りに織り込んだ意欲作と言えると思います。

まず最初の話は「視える音」というタイトルの
幼少の頃から「音」が視覚的に視える高校生の少年が、軽音楽部の少女にであう物語。
ここでは音にはそれぞれキャラクターが割り当てられ、イヤフォンで音楽を聴いてる人から
漏れる軽薄な音には、つる草のように伸びた茎が手足のように付いている
頭の悪そうなひまわり顔だったり、学校で練習するブラスバンド部の合奏は、
イギリスの鼓笛隊のような姿をした一団として描かれたり…
そして偶然軽音部の部室の近くを通りがかった少年は、
そこで圧倒的な音を視、そして惹かれていきます。
この音を奇妙な生物として表現する絵づらが、なんともファンタジーで らしいんですよね。

2話目の「奪われた歌」では、「歌」を禁じられたカナリヤならぬ歌姫の物語。
最後のあたりのネタバラシでは、新しい萌えの境地を拓いたかのような錯覚をさえ感じますw

3話目の「はじまりのリズム」では一転、ジャングル少年がひたすら
ジャングルの中を歩いていくお話で、合間に草を踏みしめ、水たまりを踏んで歩いていったり、
道中少年を昼飯にしようとつけ狙う狼たちとの追いかけっこなど、セリフもオノマトペも使わずに
絵とコマ割りで躍動感あるお話に纏め上げるのは、今までもこういったマンガを見たことが
無いわけではありませんが、オチまで読んで満足できるものになっているのは
レベル高いなあと思えます。

img584.jpg
音楽とか声、言葉など実にバリエーション豊かな音へのアプローチが面白い本作。
音楽を扱うマンガでもそれをさも音が鳴っているかのように表現する画作りには
相当心を砕かれていると思われますが、このマンガの時にダイナミックな「音」の表現を読むと、
「音」ではありませんが、私が子供の頃に好きで視ていたアニメ「ミスター味っ子」の
大げさにもほどがあるあの「味」の表現が、あながちギャグと括ることのできない
立派な表現手法の一つだったんだなあと思えてきます。
…ちょっと横道に逸れましたが、短編集としてテーマが明確であるが故に
時にコメディだったり青春ものだったり、淡い恋の物語だったり、鬼気迫るものであったり
お話や舞台は毎回異なるのですが「今度はこう来たか~」と見比べて楽しいマンガでした。


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