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亭主元気で犬がいい [ハートフル]


亭主元気で犬がいい 1 (ビッグコミックス)

亭主元気で犬がいい 1 (ビッグコミックス)

  • 作者: 徳弘 正也
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2011/03/30
  • メディア: コミック


それは兄貴であって妹のあんたじゃない。
あんたじゃない。


九頭竜マリ―
それが私の名前。
九頭竜と言えば、その名は日本中の誰もが知っている。
人殺しの名前として…
3年前、日本中を震撼させた資産家一家の惨殺事件があった。
その犯人が私の兄。
彼は自分になんの恨みも関わり合いもない善良な一家を、
自身の自堕落な生活のため、金を奪う目的で皆殺しにした。
そしてその後の裁判でも反省の弁を述べるばかりか、
自身を溺愛する母と共に、心神喪失を理由に最後まで争って、結果死刑を宣告された。
誰もが眉をひそめる、唾棄すべき醜悪な事件だった…
そしてその罪は「加害者の家族」である私たちに容赦なく及ぶ。
マスコミの取材ではひたすらに謝り続けた、元消防士で人格者だった父が、
ある日近所の子に空手を教えていたプレハブ道場で首を吊り、
先生も、学校の友人にも、私を良く知るご近所の人たちにさえ厭われ続けた私もまた、
殺人犯の妹であることを知った彼に手酷くフられて、あの日川に飛び込んで死のうと思っていた。
そんな時に、私はあなたに出会った。
あなたは私に罪はないとハッキリと断言してくれ、
私に居場所を与えてくれ、そして―
私と結婚したいとさえ言ってくれた…
3年前のあの日から死を望まれ続けた私にとって、それはまるで夢のような生活だった。
殺人犯の妹としてではなく、彼は私を、「マリ」としてみてくれる。
この人になら、一生を捧げても良いと思った。
この先10年も、20年も、30年でも…

けれどそんな久しぶりの心穏やかな日々は、ほどなくして唐突に終わりを告げた―

ビッグコミックスペリオールにて連載。
本日は「ジャングルの王者ターちゃん♡」「狂四郎2030」など、
下ネタギャグと人間ドラマを併せ持つ作品を多く手がけられている
徳弘正也さんの新刊をご紹介します。
私が徳弘さんの漫画を拝見したのはターちゃん以来で、
しかもバトル編に路線変更してからは読まなくなっていたので…20年ぶりくらいになるんですかね。
はー…月日が経つのは(以下略(;´▽`A``
とにかくその後の作品については少し前に阪大漫研Podcastの126回
ターちゃん連載当時の低年齢向けのちんこちんこしたお下品ギャグマンガ家と思っていた
私の印象を変えてくれたので、今回の新連載を機に拝見してみました。

お話としては「犯罪者の家族」という重い十字架を背負った少女(19歳)の人間ドラマです。
3年前のあまりに身勝手で凄惨な殺人事件を犯した兄。そしてその妹であるマリは、
以来誰からも忌避されるようになり、それどころか道端で唾を吐きかけられ、
教室に入れば自分の机に「人殺し」などと大書されていたりします。
偏見から守ってあげるべき先生にすら拒絶され、周囲と同じ冷ややかな目で見られる始末という、
なんともどうしようもなくたまらない状況。
高校を中退し、それから自分を黙って採用してくれた山奥の旅館で
知り合った観光客の青年と恋に落ち、子供を身篭ったりしますがしかし、
自分が「あの九頭竜の妹」と知られた途端に青年からこっぴどく拒絶されてしまいます。
そして遂には思い余って川に身投げしようとしていたところで
マリは川で溺れていた大学教授の連太郎を救うことになります。

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犯罪者である当の本人はこの場合当然ではありますが、
自分は全く何もしていない家族までもが犯罪者と同列に見られてしまう現実。
マスコミが 「どうして犯罪を未然に防げなかったのか?!」 と詰め寄れば、
「しらねーよ」と突っぱねようものなら鬼の首を獲ったように責められるから
ただ謝り続けるしかない針のムシロのような生活…なんともたまりません。
私の身近ではそういったことは幸いにして起きていないのですが、
テレビなどで話題になるほどの裁判が行われると、「加害者の人権」問題と共に
話題になるのをよく見かけます。そして法の下に裁かれ、
刑務所で ある意味「保護」されているとも言える加害者本人に対して、
その家族はここまで極端ではないにせよ
やはり肩身の狭い思いをしているだろうことは容易に想像できます。
この重たいテーマを、徳弘さんは父親譲りの気丈でスパッとした
気持ちの良い性格のマリが、「えろじじい」とマリに言わしめた
早漏だけどマリを心の底から愛してくれる優しい連太郎と、
自分のことを実の娘のように可愛がってくれる、極度の歴女の
連太郎の母と出会うことで救われることになります。

基本は私が拝見していた頃のちんこちんこしたギャグが、
更に大人向けのお下劣ギャグに進化して会話のあちこちに散りばめられ、
この重たいテーマを吹き飛ばすほどのあっけらかんとした毎日が描写されます。
しかし連太郎とマリが結婚する前後の連太郎の親族による猛反発、
そして幸せな新婚生活から一転する後半と、不幸少女の物語としては
オーソドックスな物語ながら、徳弘さんらしい「あっかるい家族計画」的
お下劣ギャグが、その時は軽く読み飛ばし気味に通過するんですけど
後で読み返すといちいち「幸せだった頃の思い出」として胸に迫ってくるんですよね。

img970.jpg

不幸少女・マリの受難はまだ始まったばかり。
3年前、兄が引き起こした事件によって人生を狂わされた人々や、
その弱みにつけこんで自分の欲望を満たそうとする人々が次々とマリに関わってきます。
マリは連太郎と共にどのような結末を迎えるのでしょうか。
微妙に巻の最後でケータイを使って連太郎がマリに気付かせるシーンでギョッとしましたが、
この定番を外してくるあたりがどう活かされるのか、
この先の物語は勿論、マリのおっぱいからも目が離せません!


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