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平台がおまちかね [ハートフル]


平台がおまちかね 出版社営業・井辻智紀の業務日誌 (ウィングス・コミックス)

平台がおまちかね 出版社営業・井辻智紀の業務日誌 (ウィングス・コミックス)

  • 作者: 久世 番子
  • 出版社/メーカー: 新書館
  • 発売日: 2011/04/23
  • メディア: コミック


いつもお世話になっております 明林書房 営業の井辻です!

本好きな人なら、と括っていいかどうかはわかりませんが
少なからず書店や出版社に関わる人たちが普段どのような仕事をしているのかに
興味を持ったことは無いでしょうか?
本日は本の出版社の営業さんを主人公にしたミステリ仕立ての物語をご紹介します。
原作者は大崎梢さん、コミック化されたのはこのブログではお馴染み、元書店員の久世番子さん。
大崎梢さんもまた、5年前まで書店員をされ、そこからデビューして
主に書店での日常に起きる、ちょっとした謎を追う「書店ミステリー」というシリーズで
作品を発表されている方だそうです。
元書店員さん同士の強力タッグ…しかも調べてみると既に別の作品を
何冊かコミカライズされているようで、そういった意味でも原作の面白さを
存分に引き出した作品では無いかと期待できます。
それではどうぞ~

img061.jpg
ウェブマガジンウィングスで連載。全1巻。
まずなんと言ってもこのタイトルですよ!
なんて優しい感じのするタイトル、そしてそれにふさわしいこの表紙。
学生さんやOL、親子連れの方が立ち寄るとある書店。
そこに主役の新人の営業・井辻くんが、お店で一番目立つ「平台」と呼ばれるスペースの
自社の本の在庫チェックをしつつ、興味深げにお客さんの様子を覗き見ています。
折り返しには久世さんが表紙の本を大事そうに抱える笑顔の女の子がこっそり登場していたりして、
私の贔屓目がそうさせるのでしょうが、なんかこういう遊び心一つ見ても感じ入ってしまいます。
はー…これ描いたの誰だ? えーと…久世番子。ああそうだったそうだった、「暴れん坊本屋さん」とか
「番線」とか書店員さんの日常や本音をぶっちゃけて描いたあの漫画家さんじゃないか~
…って Σ('◇'*)エェッ!? これホントに久世さん…?(超失礼)
いつもご本人の体験談を描いた漫画しか拝見したことが無かったので、
あの鳥の格好した番子さんが出てこないストーリーマンガを拝見するのは初めてだったのでした。

さて、そんな第一印象だたったのですがとにもかくにも
久世さんの書店漫画であれば、ということで拝見。
明林書房という都内出版社の新人営業・井辻くんが主人公。
営業の主な仕事は、受け持ちの書店さんを巡って自社の新刊書籍の案内や
販促グッズなどを持って一冊でも多く本を置いてもらうこと。
そこへくるといかにも人のよさそうなフレッシュマンな彼は、イマイチ押しが弱くて
書店員さんになかなか自分の名前も覚えてもらえず四苦八苦する毎日。
彼自身の地味な性格もあるけれど、原因の一つには同じ会社の元営業で、
二年前に井辻君と入れ替わりに編集部に異動した伝説の営業マン・吉野さんの
印象が書店員さんの間で定着してしまっているから。
井辻君はちょっと凹みながらも一所懸命愛想を振りまきます。

img062.jpg

舞台は基本営業先の書店で、書店員さんや別の出版社の
センパイ営業マンさんたちとの会話で展開していきます。
ミステリー部分の謎というのは、別に本の棚の下に在庫の本をしまってある
ストッカーに死体が入っていて…というような物騒なものではなく、
「自社の本に好意的なハズの書店の店長さんに何故か素っ気無くされた」とか
「とある閉店した書店の前で立って看板を見上げていた男性は誰…?」とか
日常の業務でふっと出くわしたちょっとした謎を追って、
そこで関わる営業と書店員さんの間の深い信頼関係であるとか、
一冊の本に関わる色々な人の想いのようなものを描き出していきます。

なんかちょっと意外だったんですけれど、井辻君がなにか悩み事や
謎にぶつかった時に頼るのが、自社の先輩ではなく同じ書店に出入りする
言わばライバルのハズの他社書店員だったりするのは、
…まあ頼られる営業さんの個性にも依るし、頼る側が素直な新人君だからでも
あるのでしょうが、多くあることなのかなあと思ったりしました。
とある書店のマドンナの「笑顔を守る会」みたいなのがあって
5社くらいの各社の男営業どもが連携して憂い顔のマドンナの悩みを解決する
というエピソードがあって、こういうの私弱いんですよね~(;´▽`A``
パンプキンパイとシナモンティーてカンジで…

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舞台は都内の書店だけではなく、出版社の主宰する文学賞のパーティであったり
地方の書店さんを巡るエピソードだったり、本に対する思い入れだったり、
相手のことを考えてその期待に添えるようがんばる主人公の姿といい、
なんとなく「本屋の森のあかり」に雰囲気が似ていてそこそこ楽しめたのですが、
やっぱり残念と思うところはあって、
まず最後の本格ミステリばりのエピソードはちょっと凝りすぎではあったかな、と思ったり。
あとは井辻君がちょっと落ち着き過ぎているのも残念かも。
お陰で地味さは存分に出ていた気はしますけれど、
もうちょっと未熟さゆえの感情の起伏が観たかったかもしれません。
多読では無いけれど、物語に深くのめりこむ読み方をする井辻君という設定も
他に比べて無個性にも映る彼のキャラを立てるエピソードとして活かして欲しかったなあ…
そういった意味で惜しいかな。
でもその分個性的な書店員や他社のセンパイ営業さん達は面白い人が揃ってるので、
一冊完結なら詰め込まれすぎず、これくらいでいいかとも思います。


大崎梢さんのHP → Ringo page
久世番子さんのblog → 番子帖
大崎梢さんによる「平台がおまちかね」ここだけのあとがき → Webミステリーズ!
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