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ヘン集女王 [コメディ]


ヘン集女王 1巻 (ヤングキングコミックス)

ヘン集女王 1巻 (ヤングキングコミックス)

  • 作者: 高内 優向
  • 出版社/メーカー: 少年画報社
  • 発売日: 2011/09/30
  • メディア: コミック


漫画家は編集者を選べない 相性の善し悪しが漫画の出来を大きく左右するのに…だ
それで潰れるのは持って生まれた資質と言えばそれまでだが
潰さず生かせたらそれに越した事はないだろう…?


編集者は言うまでもなく漫画家さんにとって非常に大きな存在ですよね。
そもそも編集さん(ひいては出版社)から仕事を頼まれるから漫画家という職業になれるのだし、「最初の読者」と言われるように彼らに認められなければ作品が世に出ず、それはつまり「ご飯が食べられない」ということを意味します。
でも逆に編集者の方でも自分たちに給料を出してくれる源泉は漫画家さんの作品の魅力如何。なので「先生」と呼んでご機嫌伺いもするし、作品創りのためにできる協力は惜しまない。
そしてその「より良い作品を創ってもらうために漫画家さんに対して行える手助けの範囲とやり方」のさじ加減、力関係、いうなれば駆け引きの面白さがネタになるわけで…
最近は漫画家を主人公にしたその辺の漫画家と編集者のやり取りを描く作品も多く目にするようになりましたが、今回は逆に編集者側の立場の作品が発行されましたのでご紹介しようと思います。

ヤングキングOURSにて連載。
著者の高内優向さんは竹書房で漫画家志望の娘さんばかりの4コマ「まんがらない。」も連載されている方だそうで、そちらは拝見したことが無いのですが編集者側を描いた4コマであるこの作品とリンクしている部分もあるようでした。なかなか面白い趣向ですよね。
さて、大抵の漫画家マンガなどでは編集者とは主人公である漫画家に対して大抵「〆切!〆切!」と迫るキャラクターとして出てくる印象が強いです。それはどちらが良い悪いで言えば、プロとして納期までに作品を仕上げることが求められる世界で間に合わせられない漫画家の方に社会的には非があることが多いわけですが、どうしても漫画家さんが主人公であるせいか、はたまた怒り顔で迫る姿が悪印象になってしまうせいか編集者の方が悪者に見えてしまいがちです。新井英樹さんのマンガ「SCATTER」に登場する男勝りの編集者・沢田や、木尾士目さんのマンガ「げんしけん」で最後に編集者になることを目指す穏やかな性格の主人公・笹原君、そして実際にお見かけしたIKKIとコミックビームの名物編集長さんの対談などが大分私の印象を変えてくれましたが。

主人公は月刊マンガ誌「月刊コミックCORES」の編集部内でやり手の編集者として有名な川島礼子と、彼女についた後輩である新人ドジっ娘編集・平戸路(ひらとじ)。主に何もかもが初経験となる平戸路の視点から物語は描かれ、先輩川島の各漫画家先生の趣味趣向に合わせた変幻自在な接し方や、編集部内での人間離れした仕事っぷり、そして出版社に繋がる印刷所や書店の業界裏話的な話などが描かれていきます。
可愛らしい絵柄で4コマなのでちょっと侮っていた(失礼)のですが、コミカルなお話の中でもしっかりと編集者の仕事やそこで出てくるリアリティのある商業的な本音トークが面白く、単なる萌えマンガではありません。
あとがきの方でこのマンガの企画があちこちの編集部を渡り歩いて編集長経験もあるという編集者から持ち込まれたものだと書いてあってその辺のネタ提供や取材の部分でのバックアップはかなり豊富なんだろうなあと感じられるお話になっています。

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漫画家マンガでは編集者と言えば漫画家との打ち合わせや原稿の催促、そして原稿を取りにくる時くらいしか描かれませんが、それ以外にもキャラのセリフ(写植)を貼りこむ仕事、アンケートハガキの内容を分析して漫画家さんにプラスになるよううまくフィードバックする仕事、新人マンガ賞の投稿作の選別に書店巡り、雑誌や単行本の売り上げを伸ばすための企画立案など結構幅広く、平戸路は超・人見知りでネガティブな漫画家の卵・萬村に振り回されたり、底意地の悪い先輩編集者に底の浅いアイディアを軽く一蹴されたり、時には先輩たちの「マンガ編集者」という仕事に対するそれぞれの考え方を目の当たりにしつつ成長していきます。
特によちよち歩きのド新人である彼女が、彼女より数倍頼りない萬村のためにあれこれと思い悩む様子は、ダメダメな息子を辛抱強く育て上げようと試行錯誤する母親の如し。欄外のおまけマンガの効果も相まって、おかげでダメな息子の萬村くんがなぜか異常に萌えますw だって「編集者との打ち合わせ」ってだけでプレッシャーで腹痛起こして帰っちゃう人ですよ?えらい神経つかう相手なのです。

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話中ひとつの盛り上がりどころとして、雑誌連載を賭けて新人同士の作品をアンケートで対抗させる企画があるのですが、そこで萬村に対抗するキャラとして出てくるのが画像投稿サイトの人気絵師・myo*というキャラ。今ならこういうルートで編集者の目にとまることもあるんですよね。同人誌即売会で声をかけられてプロになる方もいますがその個性の面白さもあって結構新鮮でした。作者の高内さんは、各漫画家キャラクターの絵柄の違いを出すのに苦労されているようで、そのあたりも注目です。

「厳しい」とか「壮絶な」というような雰囲気ではないマンガですが、コメディチックに描きつつ荒唐無稽ではないリアルさも感じられるマンガ編集業界マンガ、漫画家マンガが好きな方ならきっと響くところがあるんじゃないかなあと思いますよ。


高内優向さんのサイト → イガイガオンライン
(今ならTwitterを拝見すると作品の苦労話とか拝見できて面白いですよ!)
高内優向さんのTwitter → @yugaiga
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