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最近の「ヘルプマン!(特に16,17巻)」がキた!というお話 [スリル/サスペンス]


ヘルプマン!(16) (イブニングKC)

ヘルプマン!(16) (イブニングKC)

  • 作者: くさか 里樹
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/02/23
  • メディア: コミック


以前から愛読はしてましたが、最近のヘルプマン!は自分的には凄くクる!

「ヘルプマン!」とはくさか里樹さんによる介護問題をテーマにした作品です。
主人公は頭は悪くて直情型だが、生粋のじじばばっ子で情に厚い野良ヘルパーの百太郎と、度々介護制度に空手で殴りこむことを辞さない危なっかしい百太郎をあしらいつつ、ここぞという時に豊富な制度に関する知識をフル活用してお年寄りの強い味方となる親友の仁。この二人をシリーズを通した主人公に据えつつ、1巻、もしくは2、3巻ずつ介護制度や介護に携わる様々な立場の人々をリアルに描くオムニバス形式の物語です。

物語で強く描かれるのは圧倒的な孤独。
介護を生業とする人々が、人としての生活が困難なくらいのシステムにがんじがらめにされ心を病んでいくお話もクるのだけど、なんといっても介護される側の当事者であるお年寄りの孤独感が刺さる。
今までできていたことができなくなっていく戸惑い。
自分が世話する側であったはずの息子や娘、あるいは孫の年齢の若者たちに見下ろされる立場になった(と感じる)ことへの羞恥心。「老いては子に従え」ではないけれど、永らく自活してきた自分が、他人のお世話にならなければならなくなったことへの抵抗感はいかばかりか。
「助けて」の一言を周りの人に言うことが自分のアイデンティティーの崩壊を意味する。それを周囲の人々が軽々しく「それは杞憂ですよ。御世話させてください」なんて下手に出られたって、差し伸べられるおむつを前に、そうそう抵抗感が薄れるものじゃない。そうしてなんとかみっともない自分を見せまいと取り繕おうとしながらもがいている内に、どんどんと自縄自縛に陥ってやがて自分の殻に閉じこもってしまうお年寄りたち…
一方でそんな彼らにどう接して良いか判らず、まるで別人のようになってしまった父母を遠ざけてしまう実の息子・娘たち…

孤独。これほどに恐ろしい闇があるだろうか。
少年や少女ならまだ差し伸べてくれる大人もいるかもしれない。しかし彼らを自発的に助けてくれる人は稀だ。それだけに主人公の百太郎の底抜けの明るさや物怖じしない態度に救われる。システムを徹底的に利用する仁の不敵な笑みが頼もしい。二人の行動は介護が必要なお年寄りを赤子のようになんでもかんでも背負い込んでお世話することではない。お年寄りの意思を最優先に、可能な限り自活できる道を探る。一方的にお世話になる、お世話するという関係ではなく、協力し合って互いの欠点を補い合う道を考える。人としての尊厳を保って生活する道を示してくれる。
実家に住む私の母も今年還暦を迎え、今だにパートを探して足繁く面接を受ける日々だ。祖母を楽させるどころか自分の将来の設計すらいまだに皆無な親不孝な自分を顧み、じゃあせめて今母が介護を要する状態になったなら、私は献身的に助けるかと言えばその自信もないという体たらく。
時間は無い。
この作品の内容はもう程なくやってくるリアルな母の姿、そして将来の自分の姿になるかもしれないのだ。


【以前の紹介記事】
ヘルプマン!

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