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えんじがかり [ハートフル]


えんじがかり (チャンピオンREDコミックス)

えんじがかり (チャンピオンREDコミックス)

  • 作者: 三浦 靖冬
  • 出版社/メーカー: 秋田書店
  • 発売日: 2010/12/20
  • メディア: コミック


あ…あんまり上手く…いえないけど 僕は…えんじがかりだから…
僕はずっとえんじと一緒に歩くから


新学期が始まって 僕は「えんじがかり」になりました。
えんじは遠い国からやってきた「ねこみみろぼっと」で、
えんじがかりの仕事は、えんじと一緒に暮らしながら
人間の社会の習慣や常識、人との関わり方を教えること。
そしてエネルギーを送るため、僕とえんじは一日のうち何度も手を繋ぐのです。
「えんじ、朝食できたからそろそろ兄ちゃん起こしてきて」
両親は既に亡く、ウチは兄ちゃんと団地で二人暮らしだった。
だからちょっと手のかかる妹ができたようで、僕は少しだけ―
少しだけ このままずっと「えんじがかり」でいられたら…と思いました。

チャンピオンREDいちごにて連載。
ってこういう作品がこの雑誌に掲載されているんですね。
正直ビームやFellows!系かと思いました。(;´▽`A``
今回ご紹介するのは、それほどに叙情的な作品です。
チャンピオンREDいちごと言えば、おっぱいな雑誌だと思っていたもので…
いや、確かにおっぱいは毎回のように出るけれども。

雑誌掲載から4年越し。同誌の創刊時からの連載作品で、
この度ようやく単行本化された作品なのだそうです。
小学5年生の、ねこみみろぼっと えんじの萌えのポイントを押さえた愛らしい絵は勿論のこと、
何より圧倒されるのは精緻で生活感のある絵柄です。
こと萌えマンガ市場においては、捻りに捻りまくった個性的なキャラクターを
生み出すことに心を砕きまくった作品が多いように感じられます。
逆に背景はキャラクターと比べるとずっと事務的な場所を説明する記号のように、
無個性だと感じられることが多いのですが、この作品では緻密なまでの情景描写が、
思春期を迎える二人の心情を物語ってくれています。
受けた印象としては「思い出エマノン」でご紹介した鶴田謙二さんに似てるかも。

img668.jpg
お話としては、両親を亡くし団地で社会人の兄と二人暮らしをしている
小学5年生の小玉藍君(通称・アイコダマ)のところに、
ネコミミに尻尾の生えた女の子ロボットのえんじがやってきて、
ふとした拍子に異性をいしきしてしまう藍君の様子が初々しい物語です。

えんじは「ろぼっと」なのですが、周囲も含めてその扱いは人間となんら
差別されること無く、ご飯を食べたり、お風呂に入ったり、身体が自然と成長したりと、
尻尾がバッテリーのような働きをしていて抜かれると止まってしまうこと以外は
普通に細やかな心を持つ女の子として描かれています。
なのでシチュエーション的には
「同い年くらいの女の子と一つ屋根の下で暮らすことになった」
というものと一緒で、萌えマンガとしては決して珍しいものではありません。
しかしその王道のシチュエーションでありながら他と大きく差別化しているのが
先ほども挙げた「情景描写」なんですね。

夕焼け空と夕陽に染まる団地のある風景。
そこに買い物帰りの二人が手を握って歩くコマや、
しとしと降る雨の中、買って貰ったばっかりのお気に入りの傘をさして、
一人団地の敷地の紫陽花が咲く庭を散歩するえんじの姿など、
セリフ無しで十二分に物語しています。

この著者さんの名前でぐぐると「エロ無しでいけるマンガ家さんだ」というご意見もあって
ところどころで裸体を描くことはあるものの、それだけではなくきちんと「物語」を
描く力があることはひしひしと感じられました。

情景描写だけでなく、思春期の二人の心情も細やかに描かれています。
スタイルが良く背の高いクラスメートの女の子に憧れて、
ほんの誤差程度しか身長もムネも成長しなかった えんじが牛乳をがぶ飲みしたり、
恐ろしくムネの立派な、下の階に住む女子高生の橙子さんに密かに対抗意識を燃やしたり、
逆に夏祭りで浴衣姿のえんじを、藍君が照れて素直に褒められなかったり、
あまり派手さはないのだけれど、じっくりとそういう何気ない初恋の情景が描かれています。

img669.jpg
コミックに巻数表記はありませんが、連載は続いているようです。
次単行本にまとまるのは4年後なのかなあ(;´▽`A``
時折えんじが「~にゃ」という喋り方をしたり、裸になっても全くロボットらしい
箇所が無かったり、両親と死別しているとはいえ藍君の台詞が若干大人すぎに感じたり、
萌えマンガとしてあざとさを感じる箇所は無くは無いのですが、
それよりも絵の美しさに目を奪われて嫌味には感じませんでした。
しっとりとした思春期物語としてお薦めですよ。

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