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機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー [青春/自分探し]


機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのメモリーより― (1) (角川コミックス・エース)

機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのメモリーより― (1) (角川コミックス・エース)

  • 作者: ことぶき つかさ
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2010/10/26
  • メディア: コミック


「WB(ホワイトベース)展」…か 何だろね こんな作り物でもちょっと緊張するじゃねぇか

「待ちに待った<一年戦争記念館>のオープンが いよいよ3日後まで迫ってまいりました!!」
ジオン・ズム・ダイクンが共和国を樹立し、地球からの独立を宣言したあの時から約半世紀…
宇宙コロニーサイド3 かつての一年戦争での舞台となったここズム・シティにおいて
一年戦争当時の記録を展示した一大記念館が間もなくオープンの日を迎えようとしていた―
「やれやれ 帰って早々休む暇も無いのかい」
その日、木星から帰還したカイ・シデンはそうひとりごちた。
今ではジャーナリストとして各地を転々としている、
かつての一年戦争の英雄・WB隊のクルーである彼は、
今回の展示会にオブザーバーとして招かれたのだ。
「…ロゼ ロゼ・ヤカモトです 宜しく…お願いします」
そう言ってカイにぎこちない挨拶をしたのはガイドのロゼ。
そばかす顔に少し愛想が無い彼女を、むしろカイは歓迎した。
彼女の棒読みに限りなく近い「解説」を聴きながら、
カイはかつて自分が命を賭けて戦った、一年戦争の記憶(メモリー)に思いを馳せるのだった―

ガンダムエースにて連載。
自他共に認めるガンダムオタクの ことぶきつかささんが、
一年戦争の「軟弱者!」ことカイ・シデンを主人公にして、
かつての戦争の思い出話的なエピソードを語っていき、
徐々に今回の展示会の裏にある何かに迫っていく物語…になるそうです。
ガンダムエース本誌を読まないので勘違いしていたのですが、
2007年に同じくことぶきつかささんがジャーナリストのカイ・シデンを主人公に描いた
「デイアフタートゥモロー カイ・シデンのレポートより」 とは別物になります。
タイトルが似通っているので新装版かと思ってしまいました(;´▽`A``

彼の内面の卑屈さを表すようなタレ目に、人を食ったように張り付いた笑顔。
カイ・シデンというキャラクターはアニメで声優をあてた古川登志夫さんの
声優イメージとあいまって、民間人が戦争の最前線で戦うという異常な事態を
運命として受け入れようとするアムロ達に度々アンチテーゼを投げかける
名脇役として存在していました。
私が初めて「機動戦士ガンダム」を観たのはTVの再放送で、小学生低学年だったその頃は
ガンダムに乗り宿敵シャアと渡り合うカッコイイアムロと比べて
何かと不平不満を垂れ流し、セイラさんに平手を食らい、
時折他のクルーたちに「空気を読めない困ったチャン」扱いされる彼が
なんともかっこ悪いキャラとして映っていたのですが、
今から考えるとあの状況下において一貫してこの事態の異常な状況であるとか、
周囲が戦争という名の「人殺し」に馴れていってしまうことに独り警鐘を鳴らし続けたキャラクターとして
味のあるキャラクターだと理解できるようになってきました。(遅いよ)
このマンガはその名脇役にして、一年戦争の後も一民間人の視点からその後の「戦争」を
見つめ続ける語り部としての役割を持つカイの視点で、一年戦争当時の膨大な設定資料の中から
ちょっとした小ネタや、謎とされている部分をことぶきつかささんが膨らませて描いた
著者いわく「カレーの福神漬みたいな」お話になっています。

img570.jpg
ストーリーは、一年戦争当時のMSのレプリカや、当時使用された小物、戦闘機の残骸の一部など、
様々な資料を展示した「一年戦争記念館」のオブザーバーとして訪れたカイが、
カイのガイド役に付いた愛想は無いが歯に衣着せぬ正直な言動が魅力のロゼに導かれながら、
展示品として置かれているモノの中からそれにまつわる当時の回想をする、という形式で進行していきます。
回想シーンがメインで、その話の頭とおしりに現在のカイとロゼの会話がくっついていて、
更に話の間に著者のことぶきつかささんと、担当編集者、およびこの物語の連載立ち上げまで付いた
元担当を含めた3人の座談会形式の作品解説や、それにまつわる補足が入って「重箱の隅をつつくような」
各エピソードにまつわる裏話が掲載されています。
「なぜアムロのノーマルスーツだけ白色なのか?」とか「コア・ブロックシステムの意味とは?」とか
「V作戦とは何だったのか?」とか…
それらの謎に対して「アムロは主人公だから他の人とスーツの色が違うんだ」とか
「ロボットアニメだから」で済ませられてしまいがちな、リアルに考えれば「ちょっとヘンかな?」という謎を、
物語的に解釈を加えて描いているため、この合間の「作品解説」が無ければ
扱っている謎が謎として認識できなかったろうなあと思います(;´▽`A``
そしてこの裏話がセットになっているからこそ、このマンガの深みがぐっと増し、
ガンダムに詳しい方であればあるほど面白いと思える
「ガンオタの描いたガンダムマンガ」と言えると思います。

現代のカイとロゼのパートでも、なにやら会場内のモニターでカイの行動に注目している
「何者か」が登場したりと、一年戦争当時への誘導役というだけではない
作品を通した何かがありそうなシーンもあります。
1stガンダムのちょっとした副読本として、そして英雄の影で時代を見つめ続けた
カイ・シデンの物語として、異色で興味の尽きない物語と言えるのではないでしょうか。
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