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東京探偵団 [スリル/サスペンス]


東京探偵団 (1) (MF文庫)

東京探偵団 (1) (MF文庫)

  • 作者: 細野 不二彦
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2002/03
  • メディア: 文庫


支払いはこのC・Jカードで

時は1980年代バブル初期の時代。
当時の東京を舞台にした少年探偵団もの、というコンセプトで連載されたこの作品は、
代表である大財閥・王道グループ会長の孫娘のバックアップのもと、
東京探偵団―又の名をCity Jacker(シティジャッカー)を結成して
様々な難事件を華麗(?)にかつスマート(?)に解決する3人の個性的な少年少女たちの物語です。
常にクールで度胸のある少年だが、男色であり、ここぞという時には
派手に金を動かすことを躊躇わないリーダーのジャッキー。
ジャッキーとは対照的な極度の守銭奴であり、金遣いの荒いジャッキーとは何かと対立する、
自分の持つお札の番号すら暗記しているほどに金を愛する女・マリーン。
そして力仕事担当の寡黙な肥満少年だが、実は俳句に造詣が深く、極度のマゾヒストでもあるポパイ。
毎回見事な推理と、こちらの想像の上を行く、ド派手な方法で宿敵の怪盗・黒男爵(バロンブラック)らを
相手に、東京中を駆け抜けるスラップスティックなミステリー&コメディ。
2011年の現在では存在しなくなった舞台もあるけれど、
今読んでも十二分に楽しめる探偵エンターテインメントをご紹介いたします!

少年ビッグコミックにて連載、同誌廃刊後、ヤングサンデーにて移籍・完結。
今回私が拝見した文庫版は全3巻で完結。
作者は細野不二彦さんというベテランマンガ家さんで、私と生まれが近い方なら
「東京探偵団」を知らずとも同氏の作品でアニメ化された「Gu-Guガンモ」や
「さすがの猿飛」をご覧になっていた方は多いかと思います。
現在では少年誌から青年誌へとその活動の舞台を移し「ギャラリーフェイク」や
「ダブルフェイス」なども描かれていますが、やはり子供の頃に好きになった作品は
強烈な印象を残すのか、この作品が氏の作品の中で最も好きなのです。

東京探偵団は1985年から1987年まで連載された作品で、
3人の少年・少女が推理と行動力で犯人を追い詰めていく探偵モノ。
バラエティのあるキャラクターの個性の他に強い面白さとなっているのが、
リアリティがありそで無いとんでもないシチュエーションの事件と、
それを解決するための王道グループをバックにした糸目を付けない
派手な金の使い方だったりするのです。

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作中には最重要なアイテムとして東京探偵団のメンバーが必ず持っていて
どんなムチャな買い物でも為しえてしまう権威の象徴・C.Jカードという
水戸黄門の印篭みたいなキャッシュカードが存在します。
ブラックカードを遥かに凌ぐ、そのカードでなら浴びるように現金を引き出すことも可能で、
とある小さな女の子が豚さんの貯金箱を壊したなけなしのお小遣いで依頼した
家出猫を捕まえるミッションでは、捕まるまいと逃げ回る猫を追いかけ、
ジャッキーがスクーターで街中をめちゃくちゃに追いかけ回すことになるのですが、
その道中人家を突っ切って走り去り、しっちゃかめっちゃかになったその家の修繕費として、
後からやってきたポパイがお札をばらまいて走る去る、というもので
まさに事件解決のためならサンシャイン60すら即効で買収してみせるやり口が
実に爽快でバカバカしくて面白いんですよ!

img129.jpg

そして3人の探偵団メンバーと黒男爵らの人間関係も面白い。
とりわけ価値観が違いすぎるジャッキーとマリーンは
毎回口げんかになったり、時にはあろうことか片方が敵側に味方してしまったり
仲間のはずなのに一枚岩ではない凸凹っぷり、
そして一方で自らを犯罪パフォーマーと呼ぶ黒男爵は
ジャッキーを事の他気に入って度々言い寄ってきたりと
特にジャッキーとは妙に通じ合う部分がありながらも、
あくまでも好敵手として騙し・騙されの応酬が展開されていきます。

痛快活劇なだけではない、青年誌ぽいシブいお話も入っていて、
「メビウスエクスプレス」というお話などは通勤ラッシュの時間帯に
客を満載した山手線がジャックされるお話なのですが、
突然の非日常に叩き込まれた乗客たちが、最初は憤り、それぞれの予定が
狂わされていく状況に不満や不安を募らせているのですが、
やがてこの夢のような現実に、ワクワクを感じ始めていく流れなんてもう…(;´▽`A``
例えばいつもの通勤・通学の日、いつも乗るいつもの時間の電車を、
ふ、と降りて反対の電車に飛び乗ってみる。そして海を見に行っちゃおうか
なんて思っちゃってみる… そんないつもの代わり映えしない何かから解放されたいという気持ち。
思っても現実には実行できない。でも今、まさに自分は誰かに「巻き込まれる」形で
「仕方なく」そんな状況に身を置いている。そんな状況でワクワクしちゃう気持ち…
もう、解りすぎる!

完全な青年向けでもないけれど、青年誌を読む大人でも十分読ませるお話作り。
今読んでもきっと面白い、おすすめのマンガです。

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コメント 2

茶沢山

大好きな漫画でしたよ。

当時は子供が妙にシニカルな思想を持ったコメディ物が流行った時期だったかも。

“いまどきのこども”や、ドラマでも“うちの子にかぎって”など。

しっかし…

細野氏はいつも想像の斜め、遥か上空を行ってくれる作家だなぁ。

by 茶沢山 (2012-11-01 22:50) 

meriesan

なるほどー
大人を相手に大人びた少年少女たちが知恵や咄嗟の機転で渡り合うというのは面白いですよね~
by meriesan (2012-11-05 23:23) 

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