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聖剣の刀鍛冶 [ファンタジー]


聖剣の刀鍛冶 1 (MFコミックス アライブシリーズ)

聖剣の刀鍛冶 1 (MFコミックス アライブシリーズ)

  • 作者: 三浦 勇雄
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2009/06/23
  • メディア: コミック


アリア君は『誰かを傷つける剣』じゃない 私と共に『誰かを守る剣』だ
アリア私の戦友(とも)になれ


かつて大陸中を震撼させた忌まわしき戦争があった―
『代理契約戦争』
それは、空気中の霊体に人の血肉を喰わせ悪魔化する「悪魔契約」により、
各国で生み出された悪魔達を使役して行った凄惨極まる大戦であった。
戦争は終結し、最凶最悪の悪魔は封印され、それから四十四年ののち
大陸は平安を取り戻し、それぞれの国は発展を遂げる。
しかしその裏ではそれぞれの思惑が交錯し、帝国・軍国・群集列国の3国は
一触即発の緊迫したバランスの上にその平和が成り立っていた―

独立交易都市『ハウスマン』
3国のいずれにも属さず自治独立を守るこの都市に、街の治安を守る騎士団に所属する
元貴族令嬢セシリー・キャンベルがあった。
人一倍正義感が強く真っ直ぐな気性は、しかし実戦経験に乏しい新人の彼女を窮地に追い詰める。
禁忌となった悪魔契約の力をもって街で暴れる老戦士にたちまち追い詰められるセシリー。
代々受け継がれた剣もあっけなくへし折られ、その可憐な少女の頭蓋を老戦士の手斧が
断ち割ろうとした瞬間―
どこからともなく伸びた風変わりな片刃の直刀が、その手斧に深い切れ込みを入れて停止させる。
それこそが凄腕にして独特の技法で精製する武器「刀」の作り手・刀鍛冶(ブラックスミス)のルークと
セシリーの、そして大陸の命運を変える物語の始まりだった―!

月刊コミックアライブで連載。
今回ご紹介するのはライトノベル原作で、メディアミックスでアニメ化もされた
コミック版「聖剣の刀鍛冶(ブラックスミス)」をご紹介します。
私は原作未読でアニメ版は観てました。
個人的には愛生さんの甘い声が魅力のED「みらくるハッピーディ」に癒されながら
好評のうちに終わった作品だったのですが、度々Twitterでこのコミックス版を
推す声を見かけたのでまたまたコソーリと読んでみた次第です。
そうしたらこれがとても良い!
何より作画の美しさ、可愛いヒロイン達のシーンは可愛く、おっさんは無骨でカッコよく、
緊迫した戦闘シーンでは迫力がある、コミカライズの中では群を抜いて素晴らしいと言える
作品でございました。

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お話は剣と魔法の中世ファンタジーの世界で、緊張する3国家に挟まれる
交易自由都市の騎士団に所属するセシリーという新人女騎士を主人公に、
もの凄い切れ味を誇る「刀」を鍛造することができ、自身も凄腕の剣士であるルークや
その助手でありルークと謎めいた関係を持つ少女・リサ、そして人の姿に変身することができ、
セシリーと強い絆で結ばれる風の魔剣・アリアらが、人が悪魔契約をして暴れ回る
悪魔達を退治したり、大戦時に封印された最凶の悪魔・ヴァルバニルの復活が近づき
緊張する状況を背景に、各国が暗躍する政治的な策謀に巻き込まれたりする物語です。

特に特徴的なのが人の姿にも変身して人間と同じように振舞うことができる「魔剣」の存在で、
例えば風を操る能力を持つレイピアのアリアは、人の姿ではフレンドリー(で巨乳)な
お姉さんなのですが、大戦の最中に「自我」に目覚め、以来強力な能力を持つ彼女を
手に入れんとして争う人間達の醜い姿を観てきた過酷な経験を持っています。
そんな彼女が幼稚な発想と未熟な腕ながらも、人々の幸せを守ることを本気で考え、
ひたむきに修練し、自分の使う武器にも強い執着を見せる
そこらの男よりも男前なセシリーに強く惹かれていくことになります。
この世界には様々な武器が人の姿をとり、自我を持つ「魔剣」の存在が、
人ならざる者ではあるけれどその持ち主の良き理解者として寄り添う姿が印象的です。
そしてもちろん、悪魔に立ち向かう魔剣・アリアを携えたセシリーの派手なバトルが
山田孝太郎さんの迫力の絵で描かれていてこれがかっこいいんですよ。
スタイリッシュ系ではなくて、気合いと根性でねじ伏せるアツいバトル系です。

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真っ直ぐすぎるセシリーに対して刀鍛冶のルークはクール系…を装ったアツい男。
度々セシリーの甘い考えをたしなめますが、彼女を助けるよう相棒のリサに懇願されたり、
アリアに裏腹な自分の気持ちを言い当てられて根負けしながらなんだかんだで
セシリーの力になります。逆に過去に自分の愛する者を喪い、後悔の念から
無愛想な態度を取るルークがセシリーの真摯な言葉に救われたりして、
一方的な助ける・助けられるの関係ではない、互いの支えになっていく過程も見所です。

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各国(特に帝国)の陰謀、それらに利用される悪魔達の跳梁、
そしてそれぞれの思惑をもって敵対する各国の騎士達との戦い…
単行本自体はバトルの割合が多くて、読むのが遅い私でも1巻あたり20分程度で
読み終えることができます。しかし美少女達が出てくるライトファンタジーかと思わせきや、
意外とずっしりとした正統派ファンタジーの重み、特に最新5巻ではセシリーが引き裂かれるほどの
深い絶望に叩き落される展開からも、愚直と言えるほどの真っ直ぐなやり方で
克服して行こうと立ち上がる芯の強さは魅力的です。
原作は未読ですが、どうもその後も結構重たい流れになっていくようで侮れません。
お話のペースも、アニメが終了した今でも急ぎすぎずじっくりと進んでいるのが見えて好感触です。
原作は10巻を数え、コミックは原作3巻あたりの内容なのだそうですが、
このペースで続いているというのはやはり原作の人気と山田さんのコミカライズの人気なのでしょうね。
永く続いてほしいなあと思える作品です。


山田孝太郎さんのHP → Astrolabe
アニメ版聖剣の刀鍛冶OP/ED

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クンポケ

自分も結構好きな作品です。
好評なようでつい嬉しくなっちゃいますw
特に好きなのは4巻の15話、5巻の23話です。
もうこれは完全に山田先生の魅せ方が絶妙だったと思うので。
コミカライズものっていうと駆け足であっという間に終わる者が非常に多いんですが、これや「狼と香辛料」なんかは非常に丁寧にコミカライズされていて、「コミカライズも捨てたもんじゃない」って思わされます^^;
「狼と香辛料」は展開が逆に遅すぎて不安に感じる程ですが…作画や内容の忠実さはとても良いですよ。
by クンポケ (2011-04-12 23:54) 

meriesan

巧いですよね~
度々現実を無視した駄々っ子のようにも見えるセシリーの正論が胸にズキューンとくる効果的な描き方を心得てらっしゃる。原作付きではありますが、原作を超えるとすらいう方もいらしてなるほどなあと思えます。
挙げられた話はいずれも絶望からの救いに換わる転換点のコマが素晴らしいですよね。
狼と香辛料は全く未見なのですが、そちらも評判良いようですね。
by meriesan (2011-04-13 08:24) 

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