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BABY BABY BABY!! [恋愛]


BABY BABY BABY!! (りぼんマスコットコミックス クッキー)

BABY BABY BABY!! (りぼんマスコットコミックス クッキー)

  • 作者: まつもと あやか
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2011/06/15
  • メディア: コミック


いつだって 俺の頭の中は女の子のことでいっぱいで
ほんとどーしようもねえ男なんだ
でも 本物だと思ったんだよ この気持ちだけは―


今回ご紹介するのは、集英社の新人賞である第2回金のティアラ大賞で
銀のティアラ賞を受賞したまつもとあやかさんの、
受賞作を含めた5編の読みきりが収録された単行本です。
ハッとさせられる見返りクールビューティーな表紙が印象的で、思わず手に取ってしまいました。
中身を拝見したところ、読み手の好みはあるでしょうが、少女漫画好きならどれか一つは
お気に入りが見つかるんじゃないかと思えるバリエーションに富んだ作品群と、
キャラクターの…特にヒロインの絵が可愛くて好みでした。

クッキーとザ マーガレットにて掲載。
金のティアラ賞といえば、こちらでは以前第一回の金賞受賞作「Star man」を採りあげています。
「ピュアでポップでちょっとバカ」
と帯に書かれているこの作品集。
要素を抜き出すとああ、確かにそうなるのかなと思えます。

まず銀のティアラ賞受賞作にして表題作でもある「BABY BABY BABY !!」がまさに
新人さんらしい思い切りの良いお話で、いっつも女の子の事ばかり考えている
恋多き男子高校生・拓海が主役。
偶然コンビニで見かけたクールビューティー・芹沢加奈に一目惚れし、翌日からだるんだるんな
自分の身なりを整えて加奈に猛アタックを敢行するも初対面であっさりフられてしまう。
それでも諦めきれずに彼女の姿を追った拓海は、ひょんなことから彼女の絵のモデルを
することになって…というお話。
とにかく一度惚れたら気持ち良いくらいバカで一直線な拓海が、彼女のちょっとした変化に
一喜して一憂する。このキャラクターがなんたって青春恋愛モノとして気持ちがいいし、
彼女の完成した絵を見たときの彼のあふれる感情の発露がダイナミックな構図で描かれて
気持ち良い。
オチを観て、ああそっかー あの時頬を染めた加奈さんの表情はこれに対してだったのかあと
そのツンデレっぷりを感じる仕掛けも含めて、意外性においては一歩物足りないものの
純粋に読んで気持ちの良い漫画でした。

2本目の「tiny」は、今度はある思いを胸に田舎から東京に出てきて
メキメキと腕をあげた美容師の卵の女の子の話。
ある思いとは、昔から優等生な兄ばかりをチヤホヤして、
自分を顧みてくれない母親への狂おしいほどのわだかまり。
実家で美容室を営む母に認められたい一心で母親の反対を押し切って家を飛び出し、
東京で店長にも周りの同僚にも認められるほどの腕前になった彼女は、
ある日体調を崩した母親からの連絡で実家に数年ぶりに凱旋のつもりで帰郷。
しかしそこには子供を連れた兄も偶然出戻っており、変わらぬ母の兄にだけ向けられる
関心に彼女が取った行動は―というお話。
自分も頑張っているのに一向に自分に向けられない親の愛。
どうしても自分を見てほしくて暴走しちゃう彼女の心情が、
兄の連れ子の男の子を媒介にして痛いほど伝わってくるお話作りがイイ。
ラストの母親のセリフもお見事で、収録作品中最も新しい作品だけあって
描線の美しさも含めて発表時期で数えて1年半の成長っぷりを感じます。
(随分上から目線ですが…)
あえて一言言うならそれにしたって母ちゃんはやっぱり素っ気無さすぎだろうと
思わなくはありません。(;´▽`A``

3本目は「とらとマシマロ!」
これは今度は親の期待が重すぎて辛い箱入り娘の女の子・ましろが主人公。
期待の裏返しでテストで頑張っても満点でなければ間違ったところを指摘され
認められないことに息が詰まって、偶然夜の公園に散歩に出たところを
いかにもワルそうな男に出会うという話。
要は一見ワルそうな男が実は…というギャップ萌えなわけですが、
あわわわ…となっているましろがなんとも可愛い。
現状に逃げてばかりいたましろが、最後には前向きに一歩成長する物語だと思うのですが、
それよりワルの男の後日談の方が印象に残っちゃう演出だったのが残念かなあ。
二人の恋物語に発展する予感はあるけれど。そういう意味で他よりちょっと自分の印象は薄め。

4本目は「Baby I Love You」
一言で言えば「友達以上だけど恋人にはなれない」現状にうだうだ悩む男子・智也のお話。
そうとは知らずどこぞの男の子と恋仲になってはすぐ失恋する恋多き天真爛漫な思われ人が、
無自覚に残酷なセリフを智也に吐いちゃったりして、お預け状態の智也がなんとも哀れ。
彼女が常に何かを食べている姿が印象的で、すっかり料理が巧くなってしまった智也という
設定も彼の一途さや諦めきれない想いを反映している上にコメディとしても機能するこの設定が
実に巧い。
お話はベタだけど、ラスト5ページは素直に萌え~な展開で、後味が特に良い作品でした。

img207.jpg

最後は「ハロー・グッドバイ」
幼い頃に両親を亡くし、親戚夫婦に実の子供のように育てられた少女・日向子。
表向きには兄代わりだけれど、それ以上の感情を密かに従兄弟である兄に抱く日向子の前に、
ある日兄が見知らぬ彼女を連れて家に戻ったかと思うと、コスタリカに転勤してしまうと聞いて
日向子の心が大騒ぎになってしまうお話。
偶然出会って日向子の部屋に居つくことになってしまった、記憶を失くした謎の青年の幽霊が
媒介となって、兄の手前表向き出来た妹を演じる彼女の、嫉妬に荒れ狂う本心が吐露され、
それがなんとも切なくて可愛い。
クライマックスの日向子のぼろ泣き顔がうわーいってくらい破壊力抜群!
青年の幽霊が何者だったのかというラストのネタばらしは今ひとつ回りくどく
解りづらかった気がしてそこは残念だったかな。

img208.jpg

どれもがすっきり晴れ晴れとした後味を残す作品ばかりです。
所々気になったところはありましたけど、でもこれはどの作品にも少なからずあることです。
初単行本の作品集でここまで描けるなら、きっと先々話題になる
作品が拝見できるんじゃないか、そんな期待ができる作品集でした。


まつもとあやかさんのHP → Le;figaro
銀のティアラ賞受賞作「Baby Baby Baby !!」 → 金のティアラ賞ページ
(単行本化収録時にはクライマックスシーンがこちらとは多少変更されています)
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