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兄さんと僕 [コメディ]


兄(アニ)さんと僕 (花とゆめCOMICS)

兄(アニ)さんと僕 (花とゆめCOMICS)

  • 作者: 西炯子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2011/09/05
  • メディア: コミック


これは とある落語家一門を舞台にした、落語みたいな間抜けのお話―
大名人・三々遊亭小正月(さんざんゆうてい こしょうがつ)に弟子入りした
とある間抜けな弟弟子・三遊亭わん小(25)。
彼の兄弟子にあたる小正月の孫・小いぬ(11)は彼に落語の稽古をつけるが
これが一向に芽が出ない。芽が出ないどころか噺もロクに頭に入ってないし、
おまけにモノは素直に聴くのだけれど、おかしな解釈をして周囲の兄弟子たちを
振り回すこともしばしばときた日には、バカにつける薬も無いてぇわけで…

メロディにて連載。全1巻。
先月の「恋と軍艦」に続く、西炯子さんの4ヶ月連続コミックス刊行フェアの第2段でございます。
そういえば昨年も似たような新刊ラッシュをしてましたね。
いやあ…現在連載8本だそうですよ、恐ろしいですね(;´▽`A``

さて、今回ご紹介するのはとある「落語家一門」を舞台にしたホームコメディみたいなお話。
落語家になるためには師匠のもとに弟子入りして、一つ屋根の下で他の兄弟子たち
(先に弟子入りしている人たち)と寝食を共にしながら芸を磨き、師匠に認められると徐々に
高座(舞台)を任され一人前になっていく、というしきたりになっています。
一分一秒でも先に弟子入りした方が兄弟子。後から入った者は弟弟子となり、
その中での礼儀は絶対。例え小学生だろうと、黒猫だろうと自分より先に弟子入りしたら
それは自分が敬うべき「兄弟子」となるのです。

お話は孫を含む5人の弟子を抱える名人・三々遊亭小正月の屋敷で巻き起こる、
末の弟弟子・わん小を中心にしたコメディ。彼は25で黙っていれば可愛い系の
ハンサムさんなのですが、なにせドジで間抜け。
良く言えば素直で従順、そして大変な楽天家なのですが、うんざりした兄弟子の小いぬに
「実はお前より先にこの猫が弟子入りしてたから、これからはこの猫を兄弟子として見習え」
と言われると、なんだかんだで最後は大真面目に猫の動きを真似てみせるお間抜けっぷり。
更に自分と同姓同名の人物の訃報を知るや、自分は死んだのだと大騒ぎするという具合で、
なんか兄弟子の理不尽な要求に対する高度な嫌がらせなの?(;´▽`A``
と勘ぐりたくもなりますが、これが澄んだ瞳で本気なのだからタチが悪い。
落語の定番のネタで家族同然の付き合いのある貧乏長屋の面白おかしい物語、
「長屋もの」というジャンルがあるのですが、間抜けな わん小はそれに出て来る
これまた定番のトラブルメーカー与太郎よろしく、お話をあらぬ方向へ引っ掻き回してくれるのです。

img491.jpg

長屋ものでいえば熊さん八っつぁんみたいな役どころにあたる兄弟子たちも個性的で、
真面目に精進する正統派の小海老を筆頭に、
喋りだしたら停まらない、ありとあらゆる落語資料を貯めこむ落語おたくの二番弟子小じゅうと、
オリジナルの噺で世に出ることを望む、芸術家肌の優男の三番弟子・小女子(こうなご)、
それに四番目にあたる小いぬの母であり、弟子たちから慕われる おかみさん(美智子・29歳)
らが登場して、みんなしてわぁわぁと大騒ぎするノリの良さ。
ナンセンスなんですけど、落語の笑いのノリを十二分に反映させたコメディになっています。

img492.jpg

25歳の間抜けな弟弟子・わん小と、それにツッコミまくる小学生の兄弟子・小いぬ。
時には一緒にトラブルに見舞われ力を合わせようとするもちぐはぐなことになってしまったり、
時には間抜けなりの純粋さで小いぬの心の支えになってみたり、
小学生らしからぬ大人びた言動で、わん小に兄弟子らしいところを見せたり、
二人のやり取りが非常に愉快で、不思議な結びつきにほろりとくる物語でした。
巻末には作者の西さんと、西さんがファンと慕う柳家喬太郎さんとの対談も掲載され、
同じ表現者としての興味深いお話を読むこともできます。
あまりのバカバカしさに「ありえねー」というツッコミもあがりそうではありますが、
落語のノリが嫌いじゃなければ楽しめると思いますよ。

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