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HOTEL [SF]


Boichi 作品集 HOTEL (モーニングKC)

Boichi 作品集 HOTEL (モーニングKC)

  • 作者: Boichi
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/10/23
  • メディア: コミック


地球が冷めるいつか… いつかまで…
生命が復活するいつかまで「ホテル」を守るのが僕の仕事だから…


天までのびる巨大な塔―
それは絶滅した人類による 全ての生命に対する最期の罪ほろぼし…

「人類はついに『海』という名のパンドラの箱を開けてしまったのだよ」
地球の温暖化はもはや止められないところまで来てしまった
そう宣告したドキンス博士によって
その日 人類はある重大な二つの決定を採択した
一つは127光年先のはるか彼方にある 人類が生存できる可能性のある星に
人のDNAを保存した「方舟」を送ること
そしてもう一つは―
人類「以外」の種のDNAを貯蔵した 高さ4720mの塔を
気温260℃を超える地表にあって ひたすら「保存」し続けることだった
2055年 塔が完成し種のDNAの貯蔵がはじまった頃
人々はその「塔」を「HOTEL」と呼ぶようになった…

モーニングとMANDALAにて2006年~2008年まで掲載された
読みきり作品を集めたBoichi氏のSF作品集です
以前こちらでは宇宙をまたにかけるシェフと賞金稼ぎの物語
スペースシェフシーザー」をご紹介しました
今回はTwitter にて「阪大漫研Podcast」をやられている
ピエール手塚さんにおススメをいただいて読んでみました
読みきり作品でこれほどまでに重厚で本格的なSF漫画は
滅多にお目にかかれませんよ!

夕焼けに染められて真っ赤に染まる一面の海
そしてそこからにょきにょきと生えているビル郡
世界は水没し やがて人類も そしてその痕跡さえ
ゆっくりと消え去っていく…
表題作の「HOTEL」は
人類の黄昏をそんな幻想的な風景で描き始めます
お話しは ドキンス博士の助手の安野氏によって提唱され
作成された「HOTEL」を管理する人工知能「ルイ」の視点から
人も その他の生命も消え去って 熱風が吹きすさび
荒れ果てていくHOTELを 自らの性能を強化しながら
あらゆる手段をもって修復し HOTELに収められたDNAを
保存し続ける 数千年にもおよぶ壮大な記録です

もはや地球が元の気温に修復される見込みが無い中で
ルイは安野氏―おとうさんに言われたとおりに忠実に
DNAの保存を続けていきます
この様子が まるで思考する人間のように日記調で語られ
その時の地上の様子がおそろしく美しく
リアリティのある描写に思わず見入ってしまうほどです
終わりの無い任務によって 遂にHOTELはその機能を
維持できなくなるまでに 崩れていきます
その時 ルイとHOTELの前に現れた者
そして眩暈がするほど果てしない時間 HOTELを守り続けた彼の最期とは…

img370.jpg
これがたったの42ページの作品とは思えないくらい濃密な作品でした
これぞSF!っていうくらいスケールが大きくて終始圧倒されます

その他にも数編のお話が収録されているのですが
地球最期のマグロを食べた子供が
長じて あの手この手で絶滅したマグロを甦らせようとするお話
「全てはマグロのためだった」はHOTELとは趣向が変わって
SFコメディですが これもきっちりSFしていて面白いですよ

長々と書いてしまいましたが これらの作品がたった一冊に凝縮されて
存在していることは 実にすばらしいことだと思います
未読の方には是非 おススメです!
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